2013年2月27日水曜日

炭水化物と新聞広告と思い込み

【All About News Dig】連動エントリー
お恥ずかしながら、参加している調理ユニットで、角川書店の文芸誌「小説 野性時代」さんで「レッツ! 粉もの部」という連載を持たせていただいています。いまも担当してくださっている女性編集者のSさんからご依頼をいただいたとき、メンバー一同、驚愕したのを覚えております。しかし最初にごあいさつさせていただいたとき、彼女から発せられた言葉は、さらに衝撃的でした。

「女の子は、炭水化物、大好きですよ!」

雑談をしている最中、僕が「女性って、炭水化物を遠ざける人が多いじゃないですか」と軽口を叩いたところ、上記のようなコメントが返ってきたのです。ふだん女性の友人たちから「ダイエット中だから炭水化物は食べない」というようなコメントをよく聞かされていたので、てっきり女性は炭水化物と仲がよくないと思い込んでいました。でもそれは思い込みで、次のような構造もあるわけです。

1.炭水化物が大好き

2.好きだから、つい食べてしまう

3.スタイルが気になる

4.炭水化物を減らす(そしてフリダシの1.に戻る)

つまり僕の印象に残っていたのは、3.と4.の女性が多かったのでしょう。それが女性のすべてだという思い込みです。そしてこうした思い込みは、いろんなところに転がっています。

例えば「新聞」というメディアが男女のどちらに響くかというと、「男性が読んでいる」というイメージが強いのではないでしょうか。例えばドラマなどでも次のような場面がよく描かれます。

・朝食を食べながら、父親が新聞を読んでいる。
・トイレで新聞を読む父親が母親や娘から文句を言われている。
・満員電車で縦に折った新聞を男性が読んでいる。

女性が読んでいるシーンでも、「仕事をしている女性が出勤前、朝食を食べながら」など、「男性的なシーンの象徴」として描かれることが多いようです。ところが最近の調査では、ほとんどの年齢層においてそれほどの差はありません。以下のグラフのピンクの線が1975年、点線が2000年、黒い線が2010年です。70歳以上で、大きな差がついていますが、それ以外の層での差異はほぼ数%以内にとどまっています。

※社会実情データ図録(http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/3957.html)より。


そしてこんな記事もありました。
新聞広告は男性よりも女性に効果的【ADK調査】
http://markezine.jp/article/detail/17229

広告会社のアサツー ディ・ケイの、 「消費者にとっての新聞・新聞広告の価値についての調査」 によると、女性は男性よりも新聞広告をよく見ており、参考にする度合も高いことが明らかに」なったんだそうです。

「新聞を読むのは男性」という前提となる思い込みがズレているばかりか、新聞の読み方も、広告面に限って言えば「女性のほうがよく見ている」というのです。この調査リリースについては「そんなわけで、みなさん、女性向けの広告を新聞に打ちましょう」という深謀遠慮があるのかもしれませんが、なんにせよ、世のあちこちで見かける、届けたいものも届かないという不幸な光景は、勝手な思い込みで先走った結果に由来するところも多いような気がします。

●というわけで、本日覚えたこと。
女性は意外と炭水化物が好きである。
女性は意外と新聞を読んでいる。
女性は意外と新聞広告も見ている

あ、「女性は意外と」というのは、特に女性蔑視という意味ではなく、あくまで「世間のイメージと比べて」という意味だと予防線を張らせていただき、本稿を締めたいと思います。

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