2013年2月7日木曜日

1900万円のうますぎる? 経済効果


【All About News Dig】連動エントリー
香川県の「うどん県」や、広島県の「おしい!」キャンペーンに引き続き、衝撃の施策を岡山市が展開しています。

「桃太郎市、実は「伝説の岡山市」 市長が改名宣言種明かし」
http://www.sanyo.oni.co.jp/news_s/news/d/2013020114043974

ざっと概略をさらうと、岡山市が1月29日に「『おしい! 桃太郎市』に改名する」と市長が宣言する記者会見動画やしょぼいウェブサイト(http://den-oka.jp/teaser/ )を公開。しかしこれらは実は前フリとしてのネタで、岡山市は2月1日に「市長が鬼にあやつられていた」と撤回し、「伝説の岡山市」という本当のキャンペーンをスタートさせました。捨て身とも言えるキャンペーンに五体投地というか身投げ状態の市長に男惚れしそうです。

予告編のプロモーションビデオ(PV)の主演俳優に地元出身の甲本雅裕を起用し、そのBGMには実兄の甲本ヒロト率いる、THE HIGH-LOWSの「日曜日よりの使者」。本編のPVシリーズは現在も更新され続け、地元の名産品や伝統行事などを「知られざる伝説」としてプロモーションしていく模様です。

https://www.youtube.com/watch?v=mj9CtE65Edo

一部で「だまし」とも言われた、事前の記者会見PVにも市長自らが出演したことで、大手メディアがこぞってとりあげ、「マス」パワーが効果を発揮。「伝説の岡山市」公式Web(http://den-oka.jp/ )のFacebookの「いいね」は2万を超え、URL入りのツイート数も4000を超えました。ネット上は「ヤバイ!」「おもしろすぎる!」など絶賛の嵐。

といっても、一部では「おしい! 岡山自体を認知させるプロモーションとしては成功しているが、最終目的がわからない。財政が苦しいのだからこの予算で名物を作って、知名度を上げて集客につなげるべきだった」などいろいろな意見があるようです。

確かに、動画の「伝説FILE第二弾~岡山市は(自称)日本一暮らしやすい街である。」内に登場する「サワラ」などはもう少ししっかり紹介するといいのになあとは思います。以前、料理マンガの『美味しんぼ』でも紹介されていたように、サワラは足が早く、岡山以外では刺身でいただくのはなかなか難しい。だから岡山に来て、食べてみて。というような話も盛り込みたい気持ちはよくわかります。

しかし、このPRにまつわる事業費は1900万円。この予算内でタレントをブッキングしたPVを作り、プロモーション展開を行い、新幹線の停車駅である品川駅構内でもCMを流しています。マスメディアにもしっかり取り上げられ、広告業界でよく使われる「メディア露出」の広告費換算で言うと、既に十分モトは取ったと思われます。最初の反応が良すぎたからか、事前にUPするのが自然なはずの「予告編」の第三弾がUPされていないという謎も残されていますが。

それにしても、なぜ県ではなく財政の苦しい市がやったのかと、最初はクビをひねってしまいましたが、そういえば岡山県は結構な赤字を誇る自治体でした。
http://www.rnc.co.jp/news/index.asp?mode=1&nwnbr=2013020410

自治体におけるこの手のプロモーションは、担当者や首長が超ノリノリでなければ実現しません。仮に「やろう!」となってもその裏側にある面倒くささは推して知るべしで、例えば今回の企画でも事前に香川県や広島県に話を通していた模様です。岡山市さんには「素敵な企画を楽しませていただいてありがとうございます」と申し上げたい気持ちでいっぱいです。

ちなみに僕自身、お世辞抜きで岡山のごはんは大変おいしいと思います。数年前、田んぼの中にぽつんと佇む天ぷら屋の天ぷらや駅弁の「あなごめし」などもとてもおいしかった。しかし地元の人が日常で食べている、本当においしいものはまだまだあるはずです。

2011年のB-1グランプリを制した蒜山(ひるぜん)焼きそばもおいしいとは思いますが、いわゆる「B級グルメ」でなくてもいいでしょう。できれば、サワラやママカリのような日常で長く愛されたものにさらなる光を当てていただくと、次に伺ったときにまたまたうまいものにありつけそうな気がするわけで、市/県の垣根を問わず、岡山のみなさまどうぞよろしくお願い申し上げます。

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