2013年2月15日金曜日

ドラえもんとオレンジジュースと教育理念


【All About News Dig】連動エントリー
麻布学園(中学)の理科の入試問題がネットで話題(http://mamapicks.jp/archives/52103298.html)になっている……と思ったら、記事の切り口の面白さで定評のある東京新聞さんにも、取り上げられました。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013021202000055.html

話題になった設問は「ドラえもんが生物として認められることがない理由を答えよ」というもの。問題文中に「生物の要件」を記してあるので、そこから引用すれば正答になるという考え方が多いようです。

この設問自体が良問かはさておき、問題文全体で「生物とはどういうものか」について、ひとつの考え方を示し、受験生に一定の知見を持って帰ってもらおうという意図がありそうです。

調べてみると、2012年の問題の前提となる文章にも以下のような文章がありました。
「市販されているジュースにはストレートジュースと濃縮還元ジュースがあります。ストレートジュースとは、果汁を殺菌処理して、そのまま販売されるものです。一方で、濃縮還元ジュースとは、いったん濃縮(果汁に含まれる水分を減らす)したのちに、還元(再び水分を加える)してから販売されるものです」

この文章に続く、設問も「濃縮還元のほうが販売価格が低いのは、輸送や冷却にかかる費用が下がるからですが、その理由を答えなさい」とか「還元するとき、わずかな量であれば、味や香りをととのえるため、糖分や香料を加えたり、保存性を高めるために保存料を加えることも認められている」などなど、「ジュースの仕組み」について、一定の知見が受験したからこそ得られるようになっています。

合否という結果に関わらず、受験生はこの問題をきっかけに食品製造や流通に興味を持つようになるかもしれません。東京新聞の記事中にも学校側の「学校として問題の解答や意図の解説は一切しません。暗記内容を問うのではなく、考えさせる出題は毎年しています。今回もその一環です」というコメントが紹介されていますが、問題のなかにも「教育」に対する熱意と理念が伺えます。

そんななかに「ドラえもん」などメディアで話題になりそうなネタをさりげなく織り込むしたたかさなどを見るにつけ、こういう学校がもっと増えたら、世の中はもっと楽しくなるのになあと思わずにはいられません。なんだかメディアの話みたいですけど。

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