2017年12月24日日曜日

ジビーフのすき焼き肉はイケるのか

Facebookに先に上げて後からBlogに移植するという謎展開なのですが、IFTTTとかBlogの挙動や連動サービスを完全に忘れているのでメンテナンス的に投稿。そうか。Blogはタイトルつけなきゃいけないんだっけかというくらいの老人です。
先日、サカエヤの新保さんが「半信半疑」と珍しい出し方をされたすき焼き用ジビーフの肩ロースが届いた。なるほど着荷を開けて現物を見てみると、和牛はもちろん交雑よりサシが少ない。
一枚試しに焼いて食べてみた。ううむ。やっぱり野趣が強い。エゾシカや野生の鴨に近い香りがする。これは普通の割り下では合いづらそう。濃口:みりん:日本酒:水を等倍割にして甘味を押さえた割り下でもう一枚。さすがにきりりとしすぎだったので、ほんの少しだけ砂糖を追った。
そしていよいよすき焼き本編へ。ストレートにキャラメリゼした糖と合わせると、味が分離しそうだったので、まず味の橋渡し役の葱油をつくることに。
火にかけた鉄のすき焼き鍋に、太白胡麻油を多めになじませて、厚めに切った千寿葱をまとめて放り込む。両面に焼き色がついたら、一巡目で食べる葱だけ残して、残りは引き上げていよいよお肉の登場。
火加減が悩ましい。通常のすき焼き肉よりカットが薄かったので、中弱火に(ネギの糖分もあるから、斤量の厚いすき焼き鍋を強火にかけると焦げそう)。ジューッという音とともに肉を置き、上から割り下を一文字にひとたらし。両面ざっと焼きつけたら、溶き卵につけてドキドキしながら口へと運ぶ。
……。うまいな! 葱油との相性抜群。そうか、鴨に似た野趣があるならカモネギ同様合わないわけがない。というわけで二枚目は葱とともに口の中へ。これはいい! 葱とジビーフ、めちゃくちゃ合う。
しかも意外(失礼!)なほどやわらかい(この食感については、おそらく新保さんが薄めのカットを選択したことも関係している。想像よりも薄くカットされていた) 玉ねぎも合うのかな。切っとけばよかったけど、焼き始めたからもう手遅れ。空腹に勝てずにここから通常のすき焼き展開へ。具は豆腐、白菜、しらたき、しいたけ、えのき、そして長葱。あ、春菊買い忘れた。
「焼きすき」から後半は水分を多めの「煮すき」へと移行したけど、それにしてもまあ量が食えること食えること。脂身の少なさと肉質の素性の良さ、両方のせいなんだろうけど、どんだけ食っても胃が軽い。
ふつうのすき焼きだと、僕にとってのごちそうはしらたき。すき焼きでは後半に大量にしらたきを放り込み、翌日和牛の味がみっちり染みたしらたきを溶き卵ごとごはんにぶっかけて食べるのが最高のごちそう……。なんだが、ジビーフすき焼きだと翌日はネギがうまい。
和牛だと葱が脂こてこてになってしまい、鬱陶しいネギになる。脂に対抗するには、割り下もある程度の濃さが必要だ。でもジビーフなら溶出した脂自体が少ないから、割り下を強くしなくてもいい。むしろ肉の味が葱の味を底上げしてくれる(※野趣味の強さが鴨やエゾシカの味わいに近いとするならば、味つけのイメージとしては鴨鍋くらいの甘さがちょうどいいのかも)。
そして脂が少ないから霜降り肉より他の具材に味が干渉が少ない。肉自体に味がしっかり残る(つまり、従来型のすき焼きの味はやはり脂の味に由来する部分が大きいということでもある)。翌日のすき焼きの肉も割り下味ではなく、噛み込んだ肉の間からしっかり野趣が立ち上ってきた。やっぱりきちんと育てられた肉は面白い。
というようなメモを残しつつ、山積み状態の原稿へと戻ります。ぐはぁ。