2013年1月31日木曜日

ソーラー武道館とTHEATRE BROOK

2011年の夏頃、YouTubeでこんな動画を見つけました。震災から3ヶ月が経った2011年6月11日、THEATRE BROOKが被災地の石巻を訪れ、アコースティクライブを行ったときの映像です。収録されているのは代表曲のひとつ「ありったけの愛」。

リハーサルスタジオに客を入れたような小さな会場でセットも最小限。にも関わらず、もう演奏もテンションもキレッキレで素晴らしい! 溜めて溜めてからドンッという、イントロの佐藤タイジのカッティングも、1番と2番の間での沼澤尚によるほぼドラム・ソロ状態のノリノリのオカズも、後奏の導入からうねりまくる中條卓のベースラインも。もうね。本当すごすぎる!

一回目の「100%ソーラーで武道館でライブやりてえな♪」では被災地だからこそ(?)の笑いが漏れたのに、二回目のときには「イエー!」のコール。入り込んでいく聴衆。「どっかのアホが言い出さないと、まともな未来は見えてこないぜ♪」「それがロックの役割と言うもの♪」では佐藤タイジの本気が完全に聴衆に伝わり、その後のサビ~後奏~後奏2に至る流れは、圧巻の一言。YouTubeのライブ動画で、「終わってほしくない」と思ったのも、わけのわからない衝動が湧いてきて泣けたのも初めてでした。

http://www.youtube.com/watch?v=k8aQr2B4HbE

しかし本当にすごいのはこのあとで、去年の12月、佐藤タイジは本当に「THE SOLAR BUDOKAN」を実現させてしまうわけです。セットリストは以下。

〈THE SOLAR BUDOUKAN〉@ 東京・日本武道館 2012.12.20 セットリスト
1. インディーズ電力メドレー / インディーズ電力
2. Close To You / The Sunpaolo
3. まばたき / THEATRE BROOK
4. Tone / Leyona
5. Fever / 和田唱(TRICERATOPS)
6. Lady Madonna~Rockin' In A Freeworld / LOVE PSYCHEDELICO
7. 愛と死のミュゼット / 加藤登紀子
8. together tonight / Salyu
9. 新しいYes / Salyu
10. 光について / 田中和将
11. R'N'R JEDI / 田中和将 & 増子直純
12. オトナノススメ / 増子直純
13. 幸せであるように / 浜崎貴司
14. サンシャイン / 土屋公平 with 屋敷豪太
15. Shinin' You, Shinin' Day / Char with 屋敷豪太
16. Smoky / Char with 屋敷豪太
17. 1990 / 吉川晃司
18. BOY'S LIFE / 吉川晃司
19. ルート2 / 奥田民生
20. マシマロ / 奥田民生
21. 嵐の海 / 藤井フミヤ with 奥田民生
22. Another Orion / 藤井フミヤ
23. 歩いて帰ろう / 斉藤和義
24. やさしくなりたい / 斉藤和義
25. ガルシアの風 / 仲井戸“CHABO”麗市 
26. 昨日よりちょっと / THEATRE BROOK
27. ありったけの愛 / 全出演アーティスト
http://tower.jp/article/news/2012/12/26/n08

なんだこの超豪華メンバーは。Charや屋敷豪太、奥田民生に藤井フミヤに斉藤和義にCHABOに土屋公平に吉川晃司にあの人やあの人も。正直この手の問題になると出てくる加藤登紀子には、違和感がなくもないけど、そうした俗人っぽい線を引かないあたりもこのイベントの素晴らしさだったんだろうとか、上記の映像を見たあとでは思ってしまうわけです。

そしてこのライブの模様がWOWOWで流れることになった模様。
http://www.wowow.co.jp/music/solarbudokan/

本当、これだけのためにWOWOWに入ろうかと悩んでみたり、や、DVD化を待とうかと思ったり、いやでも待てよ。よく考えたらWOWOWには「パンドラ」リシーズをはじめ、尾野真千子の「マグマ」、大泉洋と檀れいの「プラチナタウン」などを排出した名作枠「ドラマW」があるのか。それにしても、「外事警察」以来、尾野真千子から目が離せません。現在やってる離婚ドラマも、尾野真千子が出ているというだけで、見てしまう。や、去年「それでも生きてゆく」での演技が素晴らしかった瑛太もいい感じではあるんですが。

さて、どうしよう。

2013年1月30日水曜日

いちご団地と青果物の鮮度

【All About News Dig】連動エントリー

国土の広さで世界62位。さらに国土の3分の2が森林の日本は、国民一人あたりの可住地面積だと世界有数の人口密度を誇る国であり、団地大国だったりするわけです。

つい先日も「団地リノベーションが若者に人気 単身女性にも最適と専門家」なんて記事が上がっておりましたが、Wiki先生で「団地」を調べてみると、「生活または産業などに必要とされる各種インフラおよび物流の効率化を図るために、住宅もしくは目的・用途が近似する産業などを集中させた一団の区画もしくは地域、またはそこに立地している建物および建造物を指す。」とあります。

住宅だけでなく、よく知られる「工業団地」や観光農園施設として運営される「農業団地」など各種団地に思いを馳せていたら、農業団地のなかに「JAはが野益子観光いちご団地」なる観光農園を発見し、そういえば少し前に栃木県出身の友人からいただいた銘苺「とちおとめ」が大変においしかったことを思い出しました。東京のスーパーで売っているものと、まるで味が違う!

いただいたものは型と味のいい特級品で、しかも「実家からさっき届いた」という、狩りたてのもの。野菜や果物――青果物は「旬の穫れたてがおいしい」と言われますが、実際、栄養面から見ても旬とそれ以外の季節では、およそ2~3倍ほど栄養価が変わってくるそうです。

さらに青果は収穫後も「呼吸」が続きます。呼吸が続くと蓄えられた糖質や酸が分解されたり、野菜によっては栄養価が一週間で約50%減少したり……。しかも同時に水分が蒸散します。青果の成分の多くは水分ですから、当然しなびてきます。人間ならばお年を召すことで味わいが深くなることもありますが、野菜となると「雪下キャベツ」などの越冬野菜や、流通のシステム上追熟が必要な一部の果物を除いて、時間が経てば食味は落ちてきます。農家の格言で「枝豆やトウモロコシは、お湯を沸かしてから収穫に行け」と言われるほど、鮮度落ちの早い青果もあるわけです。

消費者として、近郊に「都市農業団地」ができないものか。なんて勝手に妄想してみたりもするわけですが、都市部では地代も高く、個人農家では「固定資産税」が重くのしかかります。企業が取り組むとなると、農地取得問題など解決しなければならない課題も多い。

というわけで、実際の流通に影響するかはさておき、まずは「伊賀の里モクモク手作りファーム」のような、本格的な農業テーマパークの首都圏への進出からお待ちすることにしようかと思ったりするわけです。候補地として埼玉の見沼や千葉の南房総などが一瞬思い浮かびましたが、もうこの際、都内でいいや。それこそ、東急東横線と東京メトロ副都心線の相互運転開始で、一部でピンチがささやかれる池袋あたりで、西武と東武が合弁で作ったりしたら楽しいんだけどなあ。あ、与太ですよ。念のため。

2013年1月29日火曜日

モテる人の最終条件

【All About News Dig】連動エントリー
去年、こんなエントリーを書きました。本エントリーに関係する箇所を抜粋すると

>以前、「モテ」や「異性との交際」にあたり、「LINEのスタンプの使い方がうまい」が
>理由になりうるという話を聞いて、当時は腰を抜かしそうになりましたが、

>考えてみればスタンプも円滑なコミュニケーションをはかる手法のひとつ。

この話を初めて聞いたのは、一昨年の後半か去年の頭くらいだったと思います。当時は「スタンプがモテを左右するの!?」と大変な衝撃を受けました。


以下に、今年の新成人を対象にした、ソーシャルメディアの利用実態を男女別に調べた調査があります。
http://www.mdn.co.jp/di/newstopics/27446/?rm=1 http://www.nifty.co.jp/cs/newsrelease/detail/130111004211/1.htm

(グラフ8)Q.あなたは将来、結婚したいと思いますか。
ここではLINEもソーシャルメディアという扱いをされていますが、そもそもLINEはSNSというより、無料通話・メッセンジャーアプリとして広まりました。通話できる相手のいるリア充向けツールですから、当然リア充志向が強いユーザーが多くなります。「あなたは将来、結婚したいと思いますか」という質問に対して、LINEユーザーの女性の95.5%が「はい」と答え、他のソーシャルメディア/サービスを抑えて、トップに立ったのはそりゃそうだというお話でしょう。

個人的には、この質問に対して女子でもっとも「いいえ」が多かった(24.8%)Twitterユーザーのマインドや、男性でもっとも「はい」が少ない(52.6%)mixiが女性ではLINEに続く次点(90%)になっているという、オトコとオンナの間にある深くて暗い川が気になったりするわけですが、これはまたの機会に考えるとしましょう。

まだ「ソーシャル」がなかった昭和の頃はコミュニケーションの機会をどう増やすか、もしくは限られた機会を活かすかが、「モテ」やその先にある「結婚」につながる数少ない機会でした。とりわけバブルの頃は「スペックの高いツール」が評価基準になっていた気がします。


例えば
「(世間から評価の)いい店」
「(女子受けの)いいクルマ/ファッション」
「(親受けの)いい学歴/会社」

当時、これらはいずれも偏差値に置き換えられましたが、ここで挙げられた「店」「や「クルマ」などは、現代に置き換えると、ソーシャルメディアやスマホになるのでしょうか。現代ではその評価基準も偏差値とではなく、「好み」のような個人的でぼんやりした価値観に変化していますが、ひとつ断言しておきます。ツールや評価基準が変わっても、モテる人はいつの時代でもモテる! 僕自身はとてもマネできませんが、その行動や思考には、いくつかのセオリーがあるように見えます。

・迷ったら前のめり
動かないという選択肢は最悪です。迷ったらとにかく動く。動かないほうがいいのは「どうしても動けない」ときのみ、くらいに心がけていい気がします。エラーをしたら、真摯に詫びつつ、礼を尽くしてそのエラーを取り返すべく動けばいいわけです。どんなに素敵なアイデアを考えていても、動かなければ、伝えなければそれはないのと同じっぽいです。そういえば「モテ」はコミュニケーションでした。

・まずは、提供すべし
モテる人は、提供するところからスタートしています。人材をホイホイ紹介し、手持ちの物や情報を提供し、手が足りなければ自分がセッセと動く。バンバンおごるわけでなくとも、必要なカネ払いは渋らずに会計の計算などの面倒も進んで行う。すると「ヒト、モノ、カネ」のハブを任されるようになるわけです。中抜きなんてことは、ゆめゆめ考えてはなりません。いやしい振る舞いをすると一撃でハブられたりするので注意が必要です。


・誠意ある行動をすべし
よく失敗をごまかそうとする人がいますが、モテる人は失敗をごまかしません。きちんと詫びを入れ、対策を講じ、結果を出すべく改善します。世間が思いのほかエラーには寛容だということをモテる人はよくわかっているようで、誠意を見せ、頭を垂れつつ、相手の懐に飛び込んでいく様を見かけます。しかもモテる人は、相手が求める「誠意」が何かをまず外しません。自分の誠意を決めるのが、実は相手だということをよくわかっているのです。

そして上記の3条件を束ねる最終条件は「善良であること」。世の中には、チャラくてモテる人も確かに存在しますが、そういうモテはたいてい長続きしません。モテ続ける人はチャラチャラしているように見えても、実はココロが善良な人ばかり。上っ面だけをマネしても、モテが身につかないのは、書いている僕自身が痛感しています……。

2013年1月23日水曜日

「◯カツ」を使うとバカになる

【All About News Dig】連動エントリー
本当に増えました。「◯活」。以下の日本経済新聞「ことばオンライン」(http://www.nikkei.com/article/DGXNASDB11001_R11C12A2000000/ )にもありますが、「現代用語の基礎知識」で新設された「◯活」の項目例で見ても、「婚活」「離活」(2010年度版)、「朝活」「終活」「妊活」「保活」(2011)、「温活」「寝活」(2012)、「ソー活」「友活」(2013)などなど、次々にバリエーションが増えています。

実際、異性の友人と飲みに行って、「私、コイカツ中だから」とか、「私、カレカツ中なの」などと言われて、不思議な気持ちになったことがあります。どうもしっくり来ません。

言葉を短縮することが悪いとは言いませんし、言葉は常に変わり続けるものです。「◯活中」という言葉を真剣に使っているとしたら、ちょっと怖い気がします。というのも、この言葉のなかに「がんばってる」「だから何か協力して」という意図が省略されているような気がしてしまうからです。しかも、使う側が意図していないにも関わらず。

とりわけ、遠巻きな気持ちになりやすいのが、「だから」とセットで使われるケースです。普通に「彼氏がほしいんだけど、誰かいい人いない?」と聞かれれば、「どういう人がいい?」とかあれこれ質問する気にもなれますが、「活動中だから」と堂々と宣言されると、虫の居所が悪ければ「だから、なに?」というちょっぴり意地悪な気持ちになったりもしてしまうわけです。

その「活動」は本人が好きでやっているわけで、活動の内容はおろか概要も説明されないまま、「だから」と聞かされても、誰かを紹介してほしいのか、交際を拒絶されているのか、ホメてほしいのか、単なる世間話なのか、僕にはわかりません。なのに本人は「◯活中だから」にいろいろな意味を込めているつもりになっている。「◯活中」に続く「だから」は理由になりません。

「「活」を使えば、恥ずかしくないから」という自意識が働いているのかもしれませんが、それはある種の思考停止とも言えます。ついでに言うと、「◯活中だから」と口にする人が、望みどおりの結果を出したケースをあまり拝見しません。

知人の宣伝担当者は、一緒に企画を考えるチームにおいて「インパクト」「コンセプト」という言葉を使わないようにしています。理由は「思考停止につながるから」。その言葉を使うだけで考えたつもりになってしまう。それに加えて「◯活中だから」には「活動しているつもり」になってしまう効果も含まれている気がします。真剣に課題を解決したければ「◯活」はご利用にならないことをおすすめしつつ、せめて「だから」をセットで使うのは、やめてみてはいかがでしょうか。

ちなみにこのエントリーを書きながら、タイトルを何本か考えてみたところ、いずれもビジネス書風になってしまいました。
・「◯活」とセットで使ってはいけない言葉(採用……しかけましたが変更)
・言葉の魔法がかけられる、フルサイズ言語術(サン●ークさん風)
・カツ(勝つ)なら逆張り(石原壮一郎さん風)
・「◯活」をやめれば、自分だけの言葉が手に入る。
・「◯カツ」は損するキーワード
・「◯カツ」を使うとバカになる(採用)

……。言い過ぎですね。でも「◯活」を口にする周囲の人を見回して、「あ、苦労してるな」と思われたら、同じ用法で使うときっと苦労が絶えないのではないかとか、余計な心配をしたくなってしまうわけでございます。ま、最近、フードアクティビストとかいう、よくわからない肩書きを使っている僕が申し上げるのも大変アレではございますが。

2013年1月16日水曜日

おトイレごはんな若者(後編/本論)

【All About News Dig】連動エントリー


独りぼっちが怖い・・・トイレで食事 レンタルフレンド
http://www.yomiuri.co.jp/osaka/feature/kansai1357295244936_02/news/20130107-OYT8T00095.htm

さて前回のエントリーは単なる長い前フリですが、実際に「トイレで食事をする若者」の話は大学で教鞭をとられる方から耳にすることがあります。

人間の食事行動から考えて、「不浄」だと認識しているはずのおトイレでごはんを食べるという行為は、本来避けたいことのはずです。「クサイものが苦手」な人が多いのは、「腐っているかもしれないモノを食べない」という防御本能の名残だという有力な説があります。

そのあたりについては、近日中に某ニュースサイトにUPされる予定の『居酒屋のつまみを劇的に旨くする技術』(監修:伏木亨/作画:筆吉純一郎)についての僕のレビューを参考にしていただけると幸いでございます。

話を元に戻します。「トイレという衛生的にリスクの高い場所で食事を経口摂取する」という行為は、本来人間にとっては避けたい行為のはずです。しかしその「避けたい行為」をしてしまう。それほど、コミュニケーションは若者を追い込んでいるということでしょうか。

もちろん、ほかにも「そもそも個食習慣があるから、トイレでの食事に抵抗が少ない」とか「ひきこもっていたら、友人と食事をする体験も少ないはずだ」とか、あれこれ理由は考えられるでしょうが、「個食≒トイレ」ではありませんし、高校生まで個食一筋では、そうそう大学生にはなれないでしょう。にも関わらず、確実に一人になれる場所を選択してしまう。

2000年代に入った頃、大学生が当たり前のようにケータイを持ち始め、ケータイメールやmixiなどのソーシャルメディアの手助けを得て、互いに強固につながり始めました。その頃から、大学生の「コミュニケーション」についての悩みが加速し始めた印象があります。

当時、学生に話を聞いたところ、「(内容はともかく)とにかく速く打ち返す」「(展開はともかく)美しく収束させる」の2点に注力しているという回答が返ってきました。「夜、寝ている間にメールが来たらと思うと、おちおち寝られない」とも。やー、大変です。その先に「おトイレごはん」(※)があるということでしょうか。

実は動物のなかでも「共食」という文化があるのは、人間だけという話です。以前、ゴリラの生態を研究している第一人者の先生に取材をしたことがあります。そのときの内容は以下のようなものでした。
・サルには食べ物を分配するという考えはない。
・チンパンジーやゴリラなどの類人猿でも相手から要求されれば分配することもある。
・要求云々ではなく『共に食事をする』ことを文化レベルで共有できるのは人間だけ。
・つまり、「共食」は人間を人間たらしめている基本的な能力である。

誰かと食事をともにすることで、自分が食べられるのは何個までかとか、嫌いなものを相手と交換する交渉能力など、さまざまな力を身につけていく。つまり、人間は「食」を通して、他者との関係の取り結び方を学ぶ動物だというのです。極論すれば、その技術が高いほど、人間として強くいることができる。

しかし、対人関係を取り結ぶ技術や体力が未熟な現代の若者は、僕らの頃よりもはるかに高度で濃密なコミュニケーションを要求されています。未熟で繊細なのに、高度なコミュニケーション技術を要求される。そのことに耐えられないからこそ、個室に駆け込むとも考えられます。

もちろん、いますぐ学食で同級生たちと楽しく食事ができるようになれば、こんなに素晴らしいことはありません。個人的には、「前のめりに行こうぜ!」と言いたい気持ちもあります。でも学生時代というのは、社会に出るまでのモラトリアムでもあります。いまの学生に課されたタスクは、コミュニケーション以外にも膨大にあります。ならば、コミュニケーションに必要な技術や体力が身につくまで、個室に閉じこもって、歯噛みする時間があってもいい。それは、いつかきちんと一歩を踏み出そうとするとき、心のバネにもなるはずです。

ここまで書いて、現在公開されている映画「鈴木先生」のテレビドラマ版を思い出しました(原作はマンガです)。昨年の放送されたテレビドラマのなかで極私的No.1だった「鈴木先生」の作中に「(考えや行動を選択することは)許されている。ただ許されているだけである」というようなシーンがありました。生徒のセリフには「どっちが正しい、どっちが間違っている、じゃない」というものもありました。

「がんばれ」などという月並みで、人によっては負荷のかかる言葉をかけるつもりはありません。ただ、トイレに駆け込みたくなったり、大勢のなかでの孤独を感じたら、その時には抱えている悔しさや寂しさと、懸命に向き合っていただきたい。その体験はいつかきっと「もうあの頃には戻らない!」という強い意思に変わります。そうなる頃には、きっと気のおけない誰かと楽しく食卓を囲むことができるようになっているはずです。

※ 「おトイレごはん」は特に美化したいわけではありませんが、例の「便所●」という言葉を使うのが、生理的にまったく受けつけられないので、少し丁寧な言葉に置き換えさせていただきました。あしからず。

おトイレごはんな若者(前編/前フリ)

【All About News Dig】連動エントリー

独りぼっちが怖い・・・トイレで食事 レンタルフレンド
http://www.yomiuri.co.jp/osaka/feature/kansai1357295244936_02/news/20130107-OYT8T00095.htm

この記事を見て、Webにいらっしゃる論客の方々からのツッコミが心配になり、「うーん」と360℃ほど、クビをひねってしまいました。ありそうなツッコミとしては大きくふたつ。ひとつは調査結果からの強引……もとい、筋力任せの記事化。もうひとつは本当に「トイレで食事」を選択してしまうほど、繊細になってしまった一部の若者と、その対人関係でございます。

まずはひとつめの「筋力任せの記事化」について。新聞・雑誌、Webメディアといったチャネル問わず、こうした結論ありきの記事化は、あらゆるメディアでしょっちゅう行われていますし、作為・不作為を問わず、僕もその片棒を担いでしまうことがございます。つまり本稿は天にツバ吐く、天唾エントリーにだと誤解をされかねませんが、あくまで「Web住民の方から、こんなツッコミが入ったら大変!」という老婆心エントリーでございます。

さて本来、メディアはその大小やテイストに関わらず、一定の信頼を得るように作られて然るべきです。とりわけ新聞というメディアは、雑誌よりも全面的に読者に盲信……ではなく、全幅の信頼をされる傾向にございます。「どうせ週刊誌だから飛ばしだろう」と揶揄されることはあっても、「どうせ全国紙だから飛ばしだろう」と言われることはあまりないわけで、少なくとも発信側はそれ相応の責任が発生すると自覚されるのが自然なことだと思われます。

そこでこの記事の構成を見てみましょう。
1.大学入学前の学生向けに、大学主催での「顔合わせ会」が行われている。

2.「友達ができないからという理由で、休学・退学してしまう学生もいるので」という同大学准教授のコメント

3.この10年で大学の休学者は過去最高の3万1000人に上り、10年で1万人近く増。
4.休学理由は意欲減退などの「消極的理由」がもっとも多い
5.コミュニケーション不全が理由で不登校になった学生の例。おトイレでごはんを食べていた
6.別の識者による、大学不登校者の8割が高校までは普通に登校との簡単なデータ紹介。続けて「今の学生はサークルや部活にかつてほど参加していない。友達作りで最初につまずくと、ずっと孤立してしまう」とのコメント。

ツッコミどころを多彩に用意した、Web時代にふさわしい、素晴らしいメディア・コミュニケーションといえるでしょう。導入の1はともかく、2は「休学・退学者を出さないために、ワークショップが行われている」という印象に誘導しています。果たして、この准教授はこうした文脈で仰ったのでしょうか。

3の休学者数・率は事実としても、前項で触れられていた「退学者」については、この項からスルーされています。数字を見ると退学者は、休学者ほどの増加率ではありません。きっと記事構成上、仕方がないのでしょう。

4についても、上記報告のなかには、「消極的理由」の定義があります。「「積極」「消極」とは、本人の主観とは関係なく大学教育路線上に残るか離れるかの意味である」と。しかし、記事中にそうした説明は一切ありません。

ちなみに5.のようなマインドの学生は20年前の大学生にもいました。僕だって似たようなもので、おトイレでごはんこそ食べませんでしたが、自分の大学にもまあ適当に話せる知人はいたものの、本気で好きな音楽や料理、本、コミュニケーションの話をできる友人はいませんでした。いつも、テレビ番組やタレントの話で終始してしまう。なんだよ、こいつらくだらねえと思い始めると、何もかもがつまらない(まあ、自分がつまらない人間だったわけですが)。おまけに講義も面白くないので、早晩、在籍する学校に興味がなくなり、籍もないのに友人が通う大学にせっせと朝から通うようになりました。そうして数年後、自分の大学からドロップアウトというか、入学取り消しを食らうわけです。まさに「消極的理由」以外の何物でもありませんが、いまもなんとか仕事はできています。

おっと、これは関係ない話でした。6にしても、大学不登校者でも、高校時代であればそのうち8割くらいは登校していたでしょう。だって大学生の多くは高校を卒業している人でしょうから。その後の「最初につまづくと、ずっと孤立してしまう」のもそりゃそうだという、誰もが納得の一般論でございます。

Web住民からのツッコミを妄想するだけでこんなに長くなってしまいました。もちろん書き手の方にそんなつもりはないのでしょうが、この展開では「この程度で読者は納得するだろう」などと読者様のリテラシーをたいへんナメているように見られかねません。大変僭越ですが、遠巻きで、他人事で、上から目線という、頭の頭痛が痛くて、危うい危険が危ない記事のように受け取られないか、不安が心配で夜もうまく眠れません。

さて、長くなりました。「おトイレごはんな若者」については、後編に続きます。

2013年1月10日木曜日

アイドルを「食」に例えると。

【All About News Dig】連動エントリー
年末に衝撃的なニュースと出会いました。「JKT48 2013年1月CDデビュー」というタイトルのニュースです。

何が衝撃かって、12月25日という年末に、1月のCDデビューが発表されるという猛スピードにも驚きましたが、にも関わらず、リリース日とタイトルが決まっていなかったのです。えっ。あれこれ、お間に合いになるんでしょうかとハラハラしておりましたが、1月になった現在も、目立ったプレスリリースなどもなく、「ちょっと待て。1月リリースなのに大丈夫か」と不安とか期待とか不安とかあれこれかきたてられるわけでございます。


なんとなく、この時点で戦略に乗せられているような気もしないでもありませんが、そんなことを考え出すと夜も眠れなくなりそうなので、少し違う角度から物事を考えてみることにしました。

<仮説>
アイドルは時々、「食」に似ているのではないか。

といっても、1日3食食べるような家のごはんではありません。一部の熱狂的なファンにとっては違うかもしれませんが、アイドルはある特定の「食」と似ているような気がします。いや、どんどんそんな気がしてきました。以下は僕の勝手な思い込みで、まったく悪意や敵意などはございませんので、ファンの皆様方におかれましては、どうぞよろしくご斟酌のほど、お願い申しあげます。

・ももクロは「はじめてのお料理」である
ももクロは、子どもが親である自分のために作ってくれた料理です。前回のエントリーで「一生懸命さがファンの「共感腺」に訴えかけるタイプのアイドルで、これまでも一昨年のメンバー脱退などが物語として語られながら、支持されるようになっていったユニット」と書きましたが、ももクロとは自分の子どもが作る親にとってのみ特別な料理。しかも「お父さんのために」「お母さんのために」と必死で勉強して、試作を繰り返して、相手を思いながら作った料理。その一生懸命やっている過程も見ている上に、作った料理のそこかしこに努力のあとと愛情がにじんでいる。「こんな感じでいいんじゃね?」といういい加減さは、微塵も感じられません。そんなふうにとてつもなく一生懸命作った料理は、必ず感動を伴って食べ手に伝わります。物語が味覚を凌駕する好例です。

・AKB48はファミレスである
一方、現在のAKB48はファミレスです。悪い意味ではありません。ある時期までのAKBは、恐らく上記ももクロのようなファンに支持されていたと思われますが、いまや誰もが人目を気にせず安心して入れるお店となったのではないでしょうか。どんな地域でも、口に合うようなメニューが複数ラインで用意されています。キャンペーン等で展開される特別メニューのなかには、エリア(ライブ)ごとに微妙に味わいを変えるケースもあります。また「テレビをつければAKB」というほど、いつでも店は開いています。しかもその膨大なコンテンツのなかには。何かしら口に合う一皿があります。メニューの入れ替えもありますが、それぞれのメニューが必ず一定以上のクオリティにあり、しかもいつライブに出かけても、安定したおいしさを提供してくれます。たまにフェアなどで、万人が「マジか!?」と驚くような、うまいメニューに当たることもあったりもします。

・JKT48は、(一般的には)よく知らない国からやってきた噂の留学生がつくりそうな家庭料理である
さて、料理に例えると、JKT48はどんな存在でしょうか。まだ我々一般人にはその人となりはわかりません。どんな人がいて、何をするのかもいまひとつわかりません。ただ最近になって、高城亜樹さん、仲川遥香さんという、学校のちょっとした有名人と仲良くしているようですが、ふたりのこともよく知らないクラスメートにとっては遠巻きにしながらも、最近になって「料理を作るらしい」という噂がクラスに広まり始めた。そんな彼女が作る、お里の料理がJKTというところでしょうか。想像ですが、現在描かれているロードマップは以下のような感じでしょうか。

留学生がやってきた
学校の有名人が仲良くしているらしい
どうやら料理を作るらしい←イマココ
本当に料理を作った!
おお! こりゃうまいぞ!
仲良くなって彼女の料理にありつこう!

つまりまだ、実際の料理云々というところまで届いていないのです。にも関わらず、「数日後、彼女が作る家庭料理でパーティやるよ」という告知だけがなされている、と。メニューも会費はおろか、パーティの日程すらもよくわかりません。お里の料理ということなので、素材自体は調べればわかるのかもしれませんが、情報が少なすぎて、まだ調べるモチベーションが上がりきらないというところでしょうか。もう少し情報があれば、「まさか、料理が作れなくて困ってる?」とか「病弱で、体調が思わしくない?」など、気にかける人も増えるかもしれません。

ただし、結局のところ食べ手がほしいのは「うまい」と感じられる一皿なわけでございます。恐らくJKTに関しては、僕には想像もできないような深謀遠慮を、担任の先生や学校側が巡らせていると思われますが、一方で人間は一瞬で仲良くなれるものでもないので、せめてもう少しご紹介をいただいて、先に仲良くなっちゃってからのほうが、料理も受け入れてもらいやすいと思うのは気のせいでしょうか。

よくわかりませんが、彼女たちが作る料理は留学生グループ内や移住者中心の地域コミュニティに向けたものなのかもしれません。んでもって、たまに日本人向けの実食イベントをやって、そのこと自体が地域コミュニティで話題になればよし、ということでしょうかね。

と、あれこれ不勉強なまま、乱暴なことを書いてみましたが、それにしても、JKT48のシングルはいつどんなタイトルで発売されるのでしょうか。考え始めるとやっぱり夜も眠れませんもので、一日も早くわかりやすく話題になる形での発信をぜひお願いしたいところです。

2013年1月7日月曜日

飲食系検定と、ももクロと、アイアンシェフの類似と対比

【All About News Dig】連動エントリー

「食」にまつわる民間の資格や検定は、この10年ほどで激増しております。というよりも、もはやブームを越えて、定着期に入ってきたという見方が正しいかもしれません。つい先日もこんなニュースが流れてきました。


「ベルギービール・アドバイザー」認定講座、2013年より、札幌、福岡でも開催
http://www.value-press.com/pressrelease/105225

「ベルギービールの普及・啓蒙を進めている一般財団法人日本ベルギービール・プロフェッショナル協会(略称:JBPA http://www.jbpa.jp/)では、2013年より、ベルギービールに関する幅広い知識を身につけ、ベルギービール・アドバイザーの資格を取得するための「ベルギービール・アドバイザー」認定講座を、これまでの東京、大阪、名古屋での開催に加えて、新たに札幌、福岡でも開講する」



数年前にも、各地域でご当地検定ブームがありましたが、最近では終了するものが出てくるなど、あちらは微妙に一段落されているようです。こんなコラムも見つけてしまいました。

ご当地検定ブームに陰り~応募者減少で終了も
http://www.lifelongstudy.info/kentei/gensyo.html

ところが昨今の「食」関連の資格や検定の勢いはより力強いものになっていきそうです。というのも、似たような「検定」や「資格」でも両者の間には大きな違いがあるような気がして仕方がありません。ざっと要素を整理してみます。

まずご当地検定ですが、
・「地域おこし」「まちおこし」が主目的。
・最終的には足を運んでもらいたい(観光)
・といってもそんなにしょっちゅう、足を運んでもらえるわけではない
・ちなみに検定の主な内容は「史実に基づく情報」
・点としての情報(トリビア)を自慢できる機会が少ない

数年前から顕在化していますが、とりわけこの1~2年で「ライブ体験」「物語性/背景」「共感・共有」がとても大切なものになってきています。地域おこしのカギとなる「観光」において、必要なのは体験です。一方、ご当地検定の主なコンテンツは「史実に基づく情報」。非日常「体験」を求める観光客にとって、誰かに検定や資格認定されずとも、必要な情報は自分で取りに行くわけです。

一方、食の資格・検定
・食にまつわる素材やライフスタイルのプロモーションが主目的
・最終的には購買行動や体験などにつなげたい
・日常的に体験・体感できる食材やライフスタイルが多い
・検定の内容は「事実をベースにした物語や使い方提案」
・情報が「線」のように物語化されていて、日常の話題に乗せやすい

とまあ、明らかに「食」検定・資格のほうが、情報を体験にひもづけやすい要素が多いわけです。しかも、日常的な体験回数を重ねやすいので、受検者側の共感や愛情に発展していきやすい。すると裾野が広がって、マーケットが拡大してめでたしめでたしとなる模様でございます。

奇しくも大晦日の紅白歌合戦で、これと同じ構図を描いたアイドルさんがいらっしゃいました。「ももいろクローバーZ」です。詳述するときりがないので、詳しくはWikiセンセイをご覧ください。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%82%E3%82%82%E3%81%84%E3%82%8D%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%BCZ


そもそもその一生懸命さがファンの「共感腺」に訴えかけるタイプのアイドルで、これまでも一昨年のメンバー脱退などが物語として語られながら、支持されるようになっていったユニットです。大晦日の紅白では脱退したあかりんというメンバーを想起させる、いくつもの細かい演出がなされていました。一般の人なら、録画映像などで何回も確認してようやく気づくレベルの細かい仕掛けです。興味を持った視聴者は何度も確認するようになり、そうするうちに自然と引き込まれていく。僕もそうしたうちのひとりです。もちろん土台として、潜在ファンを引き込むだけの一生懸命さが過剰なまでにあること自体、才能であり、稀有なことのですが、紅白のステージは、ももクロという素材を存分にいかしきった素晴らしい演出と、「紅白が夢」と公言してきた本人たちの気迫が見事に融合&昇華した、すばらしいステージでございました。

一方、消費マインドの変化により、「昔はウケていたのに」という悲しそうにしているコンテンツもございます。『アイアンシェフ』などがそれに当たるでしょうか。
http://getnews.jp/archives/278343

上記ニュースサイトなどで「低空飛行」と揶揄されてしまっていますが、「アイアンシェフ」さんは何も悪くありません。だって作り手は、何も変えていないのですから。素材の「情報」のみを発信し、視聴者が参加できない場所でその道の専門家が旨そうな料理を召し上がる。どうやら、この仕組みで「共感・共有」をできる共感力の高い視聴者はそう多くはなかったということでしょうか。

テレビ東京で放送されていた『世界の料理ショー』には最後に視聴者代表がステージに引っ張りあげられ、「いつか食べられるかも」という擬似ライブ性がありました。『どっちの料理ショー』には「特選素材」に焦点を当て、物語性を訴えかけました。『秘密のケンミンSHOW」は「地域性」という共感ポイントを抽出していて、最近の放送や再発モノでも受け入れられる番組には、共感・共有要素がたっぷりあるようです。

冒頭のベルギービールも、「日常的に、購入しやすく」「(ボトルやラベル、コースターなどに)物語がある」非常に現代にマッチした素材といえるかもしれません。

ちなみに僕が取得しているのは、日本BBQ協会のインストラクター(初級はひたすら楽しく。上級ではキビシー実技試験あり)や、日本唐揚協会のカラアゲニスト(Web検定)といった食べ物関連ばかり。飲み物関連はまだ持っていないので、上記のベルギービール・アドバイザーや日本テキーラ協会のテキーラソムリエなど、この機会に取得しようかと目論んでみたりするわけでございます。どなたか、ぜひご一緒しましょう!

2013年1月4日金曜日

小野伸二のトラップがうますぎる


うわー。休憩中に見つけてしまいました。元旦に小野伸二が決めた、Aリーグ(オーストラリア)での2ゴール。1ゴール目のファーストタッチがすごい。うますぎる。どうしたらあんなトラップができるのか。あんたはジダンかストイコビッチか。2ゴール目も、トラップしたボールの置きどころから誰もがサイドに出すと思った瞬間、超自然に中央にターンインして、マークを引きはがしてからのナイスミドル。あ、ナイスミドルといっても、昔の加山雄三@若大将とかってわけじゃありません。

http://www.youtube.com/watch?v=oRao1sRaXQQ


それにしても、いったいこのパフォーマンスはどういうことでしょうか。

1.トップフォームに戻ってきた 
2.この日はコンディションがよかった 
3.マークが甘かった

からの3択だとしたら、3を完全否定するわけにはいかなくとも、主たる理由が1であることを切望する次第でございます。


1ゴール目を見て思い出されたのが、1997年のなみはや国体で決めた、小野のゴール。当時、小野はまだ高校生でしたが、フランスワールドカップ予選を戦っていたフル代表の加茂監督が解任された直後で、このゴールを見た協会関係者が「小野をカザフに連れて行け!」と叫んだとかいう噂が飛び交っていたのが昨日のことのように思い出されます。
http://www.youtube.com/watch?v=g0dvVyYhm9s

しかも以下の記事によれば、守備も格段に向上しているとか。うーむ。Aリーグの中継、どっかの局でやってくれないものか。ほら、デル・ピエロ先生やヘスキー先輩もいるわけですし。
http://nichigopress.jp/interview/column_spe/45924/

自転車通勤と社員食堂

【All About News Dig】連動エントリー

「はてブ」などのサービスを展開する「はてな」が、自社に駐輪場を整備+保険費を負担+月額2万円の手当を拠出するなどして、自転車通勤を奨励しているようで。
http://www.sankeibiz.jp/business/news/121209/bsj1212090710001-n1.htm

狙いは「経費削減と社員の健康増進」。首都圏に集中する労働人口の実情と、エコ志向なども追い風になっているんでしょう。

ところで、企業が従業員に提供する、根源的な福利厚生といえば、「食」と「住」の補助でしょうか。「ブラック」と揶揄されがちな飲食業でも「まかない」などの食事を出していただけるのは、大変うれしいところでございます。僕自身、飲食店でアルバイトをしていたとき、いちばんの楽しみはやはりまかないでございました。

高度成長期には大企業もこぞって社員食堂に力を入れていました。1980年代は、バブルも相まって、外食文化が進化を遂げ、オフィス街周辺の飲食店も充実するようになりました。昼食時でも需給バランスがある程度取れるようになり、社員食堂のニーズは減少し、さらに1990年代の「失われた10年」による、経費削減も相まって社食は次々と閉鎖に追い込まれました。

ところが2000年代に突入して、IT企業を中心に社員食堂が復権します。そもそもはシリコンバレーに拠点を置く、AppleやGoogleのカフェ/社員食堂がランチを充実させ、話題になった頃から社食の価値が見直されるようになりました。ソニーなどの国内企業も、2000年代後半から社食に力を入れるようになりました。
http://www.shashoku.com/


取材等でお邪魔した企業だと、サンフランシスコのTwitter本社では日替わりで各国の料理を出していましたし、Google Japanも現在、朝、昼、晩とそれぞれ違う料理を提供しています(http://dime.jp/genre/25113/4/ )。

高層オフィスに勤めるビジネスマンからは「ランチのための外出も一苦労」「エレベーター待ちがシンドイ」という声も耳にしますし、企業からすると、外の飲食店でのランチミーティングなどは情報漏えいのリスクもあります。またタレントなどが出入りするテレビ局などでは、パスがないと立ち入ることのできないエリアにカフェや食堂を置くことで、一定のセキュリティを確保する狙いも。

ちなみにNAVERまとめさんによれば、一般向けに開放されている「社食」はこちら。
http://matome.naver.jp/odai/2132996763287767801

その他の「社食」まとめ、はこちら。
http://matome.naver.jp/odai/2127226554257569601?page=2

どことなく一般向けに開放されていない「社食」のほうが、魅力的に映るのは「隣の芝生」なんでしょうか。楽天さんの社食などは、ぜひ一度伺ってみたいものです。ああ、お腹すいた。
http://woman.type.jp/s/cafeteria/8/index.html

ところで、自転車通勤を推進するはてなさんにおかれましては、ヘルメットの着用や走行マナーなど、安全面への啓蒙活動も、引き続きお願いしたいところです。最近、クルマに乗っていて、自転車の挙動にヒヤヒヤする場面が激増しておりますもので。