2013年1月7日月曜日

飲食系検定と、ももクロと、アイアンシェフの類似と対比

【All About News Dig】連動エントリー

「食」にまつわる民間の資格や検定は、この10年ほどで激増しております。というよりも、もはやブームを越えて、定着期に入ってきたという見方が正しいかもしれません。つい先日もこんなニュースが流れてきました。


「ベルギービール・アドバイザー」認定講座、2013年より、札幌、福岡でも開催
http://www.value-press.com/pressrelease/105225

「ベルギービールの普及・啓蒙を進めている一般財団法人日本ベルギービール・プロフェッショナル協会(略称:JBPA http://www.jbpa.jp/)では、2013年より、ベルギービールに関する幅広い知識を身につけ、ベルギービール・アドバイザーの資格を取得するための「ベルギービール・アドバイザー」認定講座を、これまでの東京、大阪、名古屋での開催に加えて、新たに札幌、福岡でも開講する」



数年前にも、各地域でご当地検定ブームがありましたが、最近では終了するものが出てくるなど、あちらは微妙に一段落されているようです。こんなコラムも見つけてしまいました。

ご当地検定ブームに陰り~応募者減少で終了も
http://www.lifelongstudy.info/kentei/gensyo.html

ところが昨今の「食」関連の資格や検定の勢いはより力強いものになっていきそうです。というのも、似たような「検定」や「資格」でも両者の間には大きな違いがあるような気がして仕方がありません。ざっと要素を整理してみます。

まずご当地検定ですが、
・「地域おこし」「まちおこし」が主目的。
・最終的には足を運んでもらいたい(観光)
・といってもそんなにしょっちゅう、足を運んでもらえるわけではない
・ちなみに検定の主な内容は「史実に基づく情報」
・点としての情報(トリビア)を自慢できる機会が少ない

数年前から顕在化していますが、とりわけこの1~2年で「ライブ体験」「物語性/背景」「共感・共有」がとても大切なものになってきています。地域おこしのカギとなる「観光」において、必要なのは体験です。一方、ご当地検定の主なコンテンツは「史実に基づく情報」。非日常「体験」を求める観光客にとって、誰かに検定や資格認定されずとも、必要な情報は自分で取りに行くわけです。

一方、食の資格・検定
・食にまつわる素材やライフスタイルのプロモーションが主目的
・最終的には購買行動や体験などにつなげたい
・日常的に体験・体感できる食材やライフスタイルが多い
・検定の内容は「事実をベースにした物語や使い方提案」
・情報が「線」のように物語化されていて、日常の話題に乗せやすい

とまあ、明らかに「食」検定・資格のほうが、情報を体験にひもづけやすい要素が多いわけです。しかも、日常的な体験回数を重ねやすいので、受検者側の共感や愛情に発展していきやすい。すると裾野が広がって、マーケットが拡大してめでたしめでたしとなる模様でございます。

奇しくも大晦日の紅白歌合戦で、これと同じ構図を描いたアイドルさんがいらっしゃいました。「ももいろクローバーZ」です。詳述するときりがないので、詳しくはWikiセンセイをご覧ください。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%82%E3%82%82%E3%81%84%E3%82%8D%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%BCZ


そもそもその一生懸命さがファンの「共感腺」に訴えかけるタイプのアイドルで、これまでも一昨年のメンバー脱退などが物語として語られながら、支持されるようになっていったユニットです。大晦日の紅白では脱退したあかりんというメンバーを想起させる、いくつもの細かい演出がなされていました。一般の人なら、録画映像などで何回も確認してようやく気づくレベルの細かい仕掛けです。興味を持った視聴者は何度も確認するようになり、そうするうちに自然と引き込まれていく。僕もそうしたうちのひとりです。もちろん土台として、潜在ファンを引き込むだけの一生懸命さが過剰なまでにあること自体、才能であり、稀有なことのですが、紅白のステージは、ももクロという素材を存分にいかしきった素晴らしい演出と、「紅白が夢」と公言してきた本人たちの気迫が見事に融合&昇華した、すばらしいステージでございました。

一方、消費マインドの変化により、「昔はウケていたのに」という悲しそうにしているコンテンツもございます。『アイアンシェフ』などがそれに当たるでしょうか。
http://getnews.jp/archives/278343

上記ニュースサイトなどで「低空飛行」と揶揄されてしまっていますが、「アイアンシェフ」さんは何も悪くありません。だって作り手は、何も変えていないのですから。素材の「情報」のみを発信し、視聴者が参加できない場所でその道の専門家が旨そうな料理を召し上がる。どうやら、この仕組みで「共感・共有」をできる共感力の高い視聴者はそう多くはなかったということでしょうか。

テレビ東京で放送されていた『世界の料理ショー』には最後に視聴者代表がステージに引っ張りあげられ、「いつか食べられるかも」という擬似ライブ性がありました。『どっちの料理ショー』には「特選素材」に焦点を当て、物語性を訴えかけました。『秘密のケンミンSHOW」は「地域性」という共感ポイントを抽出していて、最近の放送や再発モノでも受け入れられる番組には、共感・共有要素がたっぷりあるようです。

冒頭のベルギービールも、「日常的に、購入しやすく」「(ボトルやラベル、コースターなどに)物語がある」非常に現代にマッチした素材といえるかもしれません。

ちなみに僕が取得しているのは、日本BBQ協会のインストラクター(初級はひたすら楽しく。上級ではキビシー実技試験あり)や、日本唐揚協会のカラアゲニスト(Web検定)といった食べ物関連ばかり。飲み物関連はまだ持っていないので、上記のベルギービール・アドバイザーや日本テキーラ協会のテキーラソムリエなど、この機会に取得しようかと目論んでみたりするわけでございます。どなたか、ぜひご一緒しましょう!

0 件のコメント:

コメントを投稿