2012年12月18日火曜日

機内食がエアラインの成否を左右する?

【All About News Dig】(http://newsdig.jp/連動エントリー

ちょっと前に、例によってNEWSポストセブンさんにこんな原稿を書いてみますた。

機内食 機上で舌の機能が低下することまで計算して調理する
 JALはこの12月1日から一部国内線の機内で、銀座の老舗としても知られる、資生堂パーラーのメニューを提供するという。1か月間限定で資生堂パーラーの朝食を、2か月限定で同店のスイーツを機内で提供するというのだ。総料理長自ら、機内食用のメニューとして開発・監修したスイーツだという。
 ANAもこの12月から欧米路線のビジネスクラスと、一部国内線のプレミアムクラスで、ミシュランの星を獲得しているマンダリンオリエンタル東京のレストラン「シグネチャー」が監修したメニューを提供する。国内線の一部でもセントレジスホテル大阪の監修メニューが提供されるという。

エアラインのミールサービスは、他社との差別化をアピールするのによく使われます。1月から、JALが新しいシートを導入しますが(http://www.shibukei.com/headline/8966/)、新シートの導入はそうしょっちゅうはできません(だからこそ、今回のJALは新シートの導入にあたり、大々的にキャンペーンを張っているのでしょうが)。ミールや料金についてのキャンペーンが多くなるわけです。

ところが料金となると、最近話題のLCCを抜きには語れません。現在、東京近郊での離発着は成田に限定されていますが、今後羽田に進出する可能性もあるのだそう。

羽田発着枠、基準策定 将来の配分、LCCも可能に
http://www.sankeibiz.jp/business/news/121117/bsd1211170502008-n1.htm

乗客にとってLCC(ローコストキャリア≒格安航空会社)のメリットはなんといっても料金の安さ。成田から札幌や福岡に飛ぼうとすると、片道4000円台から買うことができます。

一方、デメリットといえば、搭乗口が保安検査場から離れた場所にあるとか、そもそも成田からしか乗ることができないなど、安い分時間や手間がかかります。あと、シートの間隔が狭い。大手の同タイプ機と比較して約1~3割程度座席数を増やしているので、その分一席あたりに割り当てられる面積が少なくなるというわけ。

そしてもうひとつ、大きな違いがミールサービス。LCCでは、基本的にドリンクやミールは有料です。2012年に就航した「ピーチ」などはミールとドリンク、スナックとドリンクという、ファストフードのようなセットメニューも提供しています。

うまいのは、「特製ピーチデニッシュ」、「オリジナル! 濃厚ピーチアイスミルク」などライトミールを際立たせた上で他社との差別化をきっちりしていること。単価≒原価も抑えているので、廃棄ロスが出てもリスクは最小限に抑えられますし、そもそもLCCではロスが出ないよう、積み込むミールの全体量を抑えたり、最終便では割引サービスなどを導入して、逃げ切り……ではなく、売り切りを図っています。

LCCにとっては、きめ細かな設計やサービスがニュースなどで話題になることで、安定した搭乗率の確保にもつながります。ピーチは就航半年時点で、搭乗率79%、定時運行率89%、就航率99%と好調で、国内線を増便することに。
http://response.jp/article/2012/09/05/180817.html
http://response.jp/article/2012/08/22/180016.html

もっとも、LCCが全体的に好調かというと、そんなことはなく、8月に就航したエアアジア・ジャパンは、早くも社長交代がニュースになってしまいました。
http://www.asahi.com/business/update/1217/TKY201212170581.html

おそらく搭乗率とは関係ないでしょうが、エアアジアのミールは以下のような感じ。
http://www.airasia.com/jp/ja/inflight-comforts/hot-meals.page?

アジア料理だったら、国内だろうが海外だろうが、地上に降りてから食べたい衝動に駆られてしまうわけで、予約制とか、ミール関係についてはあれこれどうなんだろうなあと、モニョっとした気分になってしまうわけでございます。「食にこだわりのあるお客様にもご満足いただけるよう」とかってのは、とりあえず置いといたほうがいいような気がするのは、僕だけでしょうか。

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