2012年11月22日木曜日

メルマガという食べ物、メルマガという店

メルマガが読まれない理由、第一位。「本数が多すぎる」43.1%。
http://markezine.jp/article/detail/16764

えーと。あまりの素晴らしい調査に、悩みが悩み始めてしまいました。食事に置き換えると「ごはんを食べない理由」→「品数が多すぎる」。もしくは「外食しない理由」→「飲食店が多すぎる」……。

ええっ!?

昭和の親御さんなら、「このバチ当たりが!」と食べ残しを叱り飛ばすところです。じゃあ品数を減らせばいいのか……。もちろん、そういう問題ではありません。しかし、この調査は食べ物が多いこと自体がダメなんじゃないかという仮説に誘導されています。なら、栄養はビール(≒Facebook)とか点滴(≒Twitter)で摂取すればいいじゃないかということになりかねません。自ら身を置く世界の足元をすくいかねない、大変な勇気ある調査といえるでしょう。


想像の遙か斜め上方向に逆転の発想というか、調査サイドの上から目線の選択肢に加えて、リリースも特に切り口を用意するわけでもない、大変フラットなダダ漏れ調査結果もツッコミどころ満載で、非常にWeb的というか某家庭料理割烹的とも言えます。ある意味、既存メディアも見習うべきと思えなくもありません。

ちなみに、その他の選択肢を「ごはん」に置き換えてみると……。

・「内容が面白くない」→「ごはんがおいしくない」
・「欲しい情報が送られてこない」→「ほしいごはんが提供されない」
・「キャンペーンに応募するためだけに登録した」→「開店セールの期間だけ食べに行った」
・「情報が必要なくなった」→「ごはんが必要なくなった」

ドラえもんに、ほんやくコンニャクを出していただくまでもなく、こうした店は早晩のれんをたたまざるを得なくなります。いまさら言うまでもありませんが、個人経営の飲食店において出店自体が重要なわけではなく、「いい店」を作ることが大切なはずなのに。ここ数年のトレンドである「Facebookでファンづくりを」とか「Twitterでバイラル展開を」と同様、ツール=コンテンツという勘違いは永遠に不滅です。きっとマーケティング界あたりのホームラン王なんでしょう。

そもそも現在、「メルマガ」という形態に特化した調査にどれくらいの意味があるんでしょうか。米光一成さんがこんなエントリーを書いてましたが、やっぱり、お年寄りはなじみの店で安心感を得たいものでしょうし、地方から上京したばかりの大学生は有名店に行ってみたいものでしょう。その気持ちは大変よくわかるような気がしますが、チラシ的というかDM的メルマガが「有名店」に相当するかと問われると、とても困った気持ちになるわけでございます。

一時期、猫も杓子も状態だった有料メルマガにしても、「水道橋博士のメルマ旬報」のように、複数著者を立てた10万字クラスのコンテンツも出現しています。メルマガというチャネルの位置づけが食材かお店かはともかく、現状に満足しないお客様は異なるチャネルに移行してみると、世界が違って見えるかもしれません。ツール=コンテンツではないものの、やっぱり盛り上がってる商店街のほうがお客さんは来ますもん。

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